海月の駄文が公開されます。
子猫の淹れた珈琲を飲みながらどうぞ。。
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―質問が三つあります。
窓を閉めた教室は、幾分かマシな寒さだった。 私は鏑木に質問する事にした。 強制的に、 有無を言わさず、 反論は却下するつもりで。 しかし、鏑木は特に抵抗する素振りすら見せず、 「いいですよ」と快く受けてくれた。 そのあまりの抵抗の無さに、ちょっとだけ私は面食らった。 私が質問した内容は以下の3つ。 質問①、あなたはどうしてここにいるのか? 質問②、あなたはどうして私の名前を知っているのか? 質問③、あなたは「冬遊び」という言葉に心当たりは無いか? 私が質問を提示し終わると、鏑木は成る程ねと一人頷いた。 眼鏡に手をやり、足を組んだ姿勢で彼は私の質問に応えてくれた。 ―質問①に対する鏑木の回答 僕は一月前に手紙を受け取りました。 それは、差出人も住所も書いていない真っ白な封筒に入っていました。 内容は確か…、 制服を着て、二十三時半に高校三年の頃の僕のクラスの教室に来い、って所だったと記憶しています。 でも、おかしいな。 手紙には、他にもここに来るクラスメートの名前が書いてあったのですけど。 芹沢さんだけですか? あともう一人の名前も書いてあったのですが…。 ―質問②に対する鏑木の回答 ええ、最初は驚きましたよ。 だって、あの芹沢さんがこんなに変わってるなんて思いませんでしたからね。 男子三日会わざれば、なんて格言など及ばぬくらい、女性の外見変化は劇的ですよね。 でも、その首に巻かれた黒のチョーカー。 それを見て、ピンときましたよ。 それが当時の芹沢さんの目印みたいなものでしたからね。 ―質問③に対する鏑木の回答 …「冬遊び」ですか。 ああ、ええ、当時女子の間で流行っていた遊びですね。 詳しくは知らないのですけど、 あれで結局クラスメートが一人亡くなってしまいましたから、印象には残っています。 不運な話ですよね。 早過ぎたとしか言いようがありません、まだ若かったのに…。 自殺なんて。 いくらなんでも、ね。 PR |
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海月と子猫
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学生
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書店巡り、読書
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海月のように自由に、
子猫のように気紛れに。
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